多感作用と誰が為の共感

萊草唳の創作雑記

2024-01-01から1年間の記事一覧

虚実―軈て落ち、剥がれ逝くもの―

『未だ見果てぬ可能性の海に捧ぐ。そして想いは現代のプロメテウスと共に。 …創造の篝火を決して絶やすことがないように。』 Meta-berthどこかにある、待ち合わせ場所 ―――どこででもあって、どこへでもない場所。 そこかしこに、あらゆる「何か」の痕跡があ…

戦禍哀歌

敵は何処だ 有象無象虚像を撃ち抜け 延々と空っぽの屍が木霊する壁を塗り替えろ乗り越えられないから書き散らした落書きが悪夢を呼び覚ます 欠片を拾え 諸行無常偶像崇拝 延々と空っぽの論理が木霊する壁を打ち壊せ役になど立つ訳がない怒鳴り散らした咆哮が…

唱歌「原爆の唄」

原子の欠片 水は燃え、躰は朽ちる 科学は名を貶し、悪意の徴 私は必死で拾い集めた 想いの欠片をただただ、 拾い集めた。 ようやっと科学の実は 科学の実は結実し 私は今ここに立ち 何をかを考える 犠牲になりし 命の咆哮は 嘆きの咆哮は 今では花の香に紛れ…

HIROSHIMA原文

広島に核爆弾が落とされた 水蒸気爆発とともに、 科学の知識の種があちらこちらにばら撒かれた 私はそれを必死で拾い集めた 開拓者の精神を以て、ただただ拾い集めた。 そうしていくうちに、 ようやっと科学の実は結実した。 私は今ここに立って何を考える …

いつでもどこでもおたすけスーパー

HELLOHOLLOW! 空っぽのスーパー このスーパーは24時間、開いている 哀しみを湛えたひとびとが吸い込まれていく あの人が好きだったもの、なんだっけね あの人がいつも食べていたもの、あゝ思い出した。 あの人との思い出でかごをいっぱいにして 泣き笑いに…

雪滲み入る、隣人愛の温かさ

雪が降っていた 凍えるような人々を縮こませる厳冬の雪 その中に、顔を雪まみれにしながら微笑む2人の姿があった。 白いドレスの女と、タキシード姿の男 この日じゃないといけないんです。 本当に、2人の記念日としては 天気のコンディションは最悪最低。 で…

白痴のふりをした男は無知蒙昧の夢を視る

彼は一家の傀儡として、銀行側に選ばれた人間だった。彼は識っていた、先代の党首が血桜の秘術によって、村長の子供に乗り移ったことを。 子供の出処は識っていた。 子供の名前は自分と同列。否、それ以上。 時貞が喪われた時を放つために使う器である。 名…

オパーリンの生命のスープ

オパーリン亭でランチを召し上がれ 品数は3つ、勿論どれもとびっきり 主役は勿論ロマネスコ フラクタル構造のニクいあいつ 1つめの料理はコバルト60でお化粧した これ以上芽も出ない、腐らない 完璧なロマネスコ その一房一房をぺきりと折って 一口サイズで…

もちずもうざむらい

はっけよいのこったのこった 東の横綱 角餅ざむらい 西の横綱 丸餅ざむらい あちあちの金網のうえでのしんけんしょうぶ 火かげんどうかい?ふくらんだ?ふくらんだ! ぱちぱち爆ぜる炭の音 ぷくっと膨らんだ表面には、努力のたんこぶ見え隠れ そこに醤油香る…