多感作用と誰が為の共感

萊草唳の創作雑記

戦禍哀歌

敵は何処だ 有象無象
虚像を撃ち抜け 延々と
空っぽの屍が木霊する
壁を塗り替えろ
乗り越えられないから
書き散らした落書きが
悪夢を呼び覚ます

欠片を拾え 諸行無常
偶像崇拝 延々と
空っぽの論理が木霊する
壁を打ち壊せ
役になど立つ訳がない
怒鳴り散らした咆哮が
暗がりに落ちていく

ここはほの昏い陥穽だ

兵士の喚声が木霊する

官製の陥穽 淡々と

空っぽの屁理屈だ

銃に弾倉充填させて

視えぬ敵を撃ち殺す

殺しているのは自分の心

こう在りたかった自身の残滓

懺悔の時間だ 許しを請え

手を上げろ、腰を落とせ

全ては、そう、

すべては御仏の掌の上

全てを覆いつくすよな慈愛の雨