多感作用と誰が為の共感

萊草唳の創作雑記

2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ほしのにんぎょひめ Mädchenlied

ほんとうのさいわいを求めて、 ぼくは久しぶりに図書館を訪れていたのだった 誰もその区画に踏みいる人はいなかったのか 俄かに色褪せた本が一つとして欠けることなく棚におさまっていたのだったが この街の伝承を記したとされる、本も、ぜんぶ 無くなってい…

ほしのにんぎょひめ Vorschneller Schwur

「ひとつ、聞きたい事があるんだ。…いいかな」 「…何?」 「君はこの街に心底うんざりしているようだけど」 「…そうね」 「ここから出る気はないみたいだね、どうして?」 「わたしには、やらなきゃいけない事があって それはここでしか出来ないことなの …古…