多感作用と誰が為の共感

萊草唳の創作雑記

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ほしのにんぎょひめ fight or flight

「お前か、なあ、お前だったんだろ 伝承にあった巫女っていうのは 何が望みなんだ」松明はすぐに灯されたが儀式が失敗に終わったのはこれが初めてだった外で踊りを供していた人達も気にするなと言ってはくれるもののどこか笑顔が引きつっているのだった茫然…

ほしのにんぎょひめ 紅穿つ

晒し去らせや曼珠沙華 しほたる雫に来しむ声 晒し晒せど尽きもせず 酔いも巡る宵闇の 其処彼処に帰し方来方 あれ見やるに畝掘り田掘り 死をやる涙はせんかたなく 紅拡がりて見知らぬ気色 拓けや拓け 興せや興せ しほたる雫は一時なりやと 声聞こえる 拓けや…

ほしのにんぎょひめ 泡となった少女

何事にも犠牲が必要なのだと皆は云う 祭事の取り決まりにより 巫女となってこの身を神に捧げよ、それで丸く納まるのだと 皆は云う この役目は光栄な事だと、 素晴らしい事だと羨望な眼差しを向ける人がいる一方で 毎日この神殿を訪れる人の中には 己が娘にそ…