多感作用と誰が為の共感

萊草唳の創作雑記

ちゃいろいおべんとう

おれはちゃいろいおべんとう

地味こそ滋味だ

心臓だけは真っ赤なプチトマトで出来ている

いっしょうけんめいのなれの果て

ふたが開けられるのをじっとまっている

腹時計のなる音に耳をすまして

さあ今日も顔をほころばせて

きみが口いっぱいほおばるのを眺めている

でもさー

熱いハートは伝わらなくて

いっつもいっつも

残された、この、熱いハート

空の弁当箱で心臓がコロンコロンとゆれている

滋味こそ、地味だ

 

そういうものだ