道徳観、倫理観を言葉で語る事が出来ないのは ある特定の場合において 言葉をむやみに発する事それ自体が自分がとりうるべき行動基準と倫理観に反するものである側面もあり、超越論的に受け手とのやり取りの中に蓄積されていくものだからである みずからの論…
何とも衝撃的なくだりから始まる彼女の独白は何処か空虚で 伏し目がちになりながら、手を組んでいる姿は悲痛な記憶から滲み出す感情に身を寄せているというよりも 誰も知らない秘密に触れてしまったかのような愉悦感とそれをひけらかすことへの背徳感に酔い…
ふと花壇におりたち花々を眺めてみる 鶏頭のビロードのような少しハリのある毛羽立ちをした滑らかな手触りと独特の光沢が目に鮮やかである ペチュニアはもっときめ細やかでしっとりとした手触りをしており、少し癖のあるなんともいえない芳香を放つのである …
色から想起されるイメージは実に異なっている 西洋における青色のイメージはどこかしかネガティブさが付き纏うのは言うまでもない マリッジブルー ブルーフィルム 等青はどこか陰鬱さをはらむ用語として扱われている 日本ではどうか、川を描く時使われるのは…
きっと矯めつ眇めつして見た数々の風景の中に潜む悲しさを掘り起こして 誰にも知られることなく心の内に静かに涙を流し 過去に取り残されたままの老兵は 戦争の物悲しさを示す水先案内人なのだろうか 星野道夫の作品は作者が非業の死を遂げる事で終止符を打…
夏祭り、花火大会 耳を劈くような花火の轟音 赤や黄色や緑の色とりどりの光が空に浮かんでは消える 夏の風物詩である 道行く人に威勢の良い声を投げかける露店の人 足を止めて買い求める人 行き交う人 浴衣を着、めかし込んだ少女が時折携帯に目を落として誰…
登らねばならない、とにかく上へ 天板から照り返された光が眩しい 季節は夏だ、其処彼処から蝉の鳴き声が聞こえてくる 何段か登った所でふと疑問が生じる、 私は一体何をしているのだと、 だがもう後がないのだ 何をやってもダメだと言われた 何故こんな事が…