瓦乍籠の詭弁録

萊草唳の創作雑記

季節の残り香

①電車内の邂逅は雲散霧消

②午後のざわめき永遠への誘い

③白く濁る視界消えてしまいたい

④欲も何も望めば沈むよな夏

⑤川の字で満足していたあの頃

⑥おひとり様馴れる熟れるすし詰め

⑦それから?3年後かに答え合わせ

⑧価値も眩むもエメラルドの王冠

⑨最果ての香無花果エデンの園

⑩柘榴の煌めきは鉱物の障り

⑪車輪の再発明恐るるに足らず

⑫時代に則せば寵児哉断片

⑬微睡みの暁に潜む暁闇

⑭木の芽和光差す中庭の夢

⑮手が滑るが如くの悪迸る

⑯がりりと噛んだ梨の緊張ざらり

⑰林檎剥く手付き薄氷の道程

⑱柿よ柿よ独り言ち落つ軒下

⑲勝手場で貪り食う水蜜桃

⑳百合の香に惑えども挿す手つきこそ

㉑手折らずとも半ばにして仆れる人

㉒雷鳴轟く名を馳せてみたかった

㉓舞いびとの五徳は業の四元素か

㉔カーテンの向こう非現実は幻日

㉕踊る人躍る人主役はどちら

㉖西瓜に塩は味の非対称性

㉗時間に追われ終わる梅仕事哉

㉘喉潤すマルメロの石細胞

㉙沈む陽を睨むだけの無知蒙昧

㉚季節の残り香過日の結託

 

第14回四季俳句応募作

喃多哩唖里玖