ぷいぷい館の殺人

……そして、モルカーたちの渋滞はより一層の混迷を迎えようとしていた。

モルカーたちの連なりが徐々に増えはじめた。

時計を見るニンゲンの表情はわずかに曇りはじめている。

モルカーたちはモルモットのくるまである。モルカーたちは日々ニンゲンたちに可愛がられ、思いのままにぷいぷいしてぷいぷいを謳歌していた。モルカーたちの群れがより一層の重なりを増している。黒々としたつぶらな瞳と、ちっちゃくて、ふわふわとした4つの車輪。……

モルカーとモルカー、ぷいぷいとぷいぷいが奏でるぷいぷいとした喧騒に包まれた、長い一列。

前方のモルカーはというとクラブミュージック、オーナーのニンゲンはインスタライブに夢中でどこ吹く風、すでに起こっていたいくつかの出来事は、彼らの心を不穏なぷいぷいへと煽り立てるに十分はかかるだろう。いや尺が足りないぷいぷい。

後方からやってきた白いモルカー。

病院へと急がねばならず、迫るタイムリミット。

およそ緊急を要するといった状況で、患者のもとに寄り添う一人の男。

だがしかし、行く川の流れは絶えずぷいぷいして、元のぷいぷいを取り戻すにはあまりにも連なってしまっているのだった。

ぷいぷいに翻弄された、ぷいぷいたちの、ぷいぷいによる、ぷいぷいのためのぷいぷいの始まりーー。

その時になってようやく、渋滞によって起こった"ぷいぷい"はそのぷいぷいな最終形をニンゲンたちの前に露わにしたのである。

……患者は結局死んだ、患者を殺したのは果たしていったい誰なのだろうか……