ぼくはまず、どちらに行けばよいのだろうと半刻ほど思索を巡らせたが
思いついたのは
より危険な方は後回し、
たったそれだけのことであった
なんとも情けない気がするけれども
これがぼくの精一杯なのであった。
鮮烈な記憶が血肉を与えられて再び息を吹き返す
感情が痛みを伴って身体に重くのしかかるのだ、耐えきれそうもない
これだけでも足元が覚束なくなるのであった。
だがこれは長い間抱え続けてきた自分への命題であり
必ず解決しなければならない問題だと
ぼくはそう思っていたのであった。
苦しみから逃れたくて感覚ごと置き去りにしてしまったから
何も出来ずにただ立ち尽くしていたかつてのぼく
ぼくはその罰を、責を受けなければならないのだと