「まあ要するに、泊まるところがないならここに好きなだけ居座るといいってことだ。」
「…どうして見ず知らずのぼくを?」
「どう見ても物盗りをするようなやつじゃないし、何よりも気に入った、ってことさ、他に理由なんてないな」
「ちょうど席も空いてるし、好きなところに座ると良い、もちろん今座ってるところでも良いがな」
「お前はこっちに座ってもらう、来いよ、俺は反対側に座るから、ここに」
断る理由もなく、ぼくは三人組の座っていた席の一席を明け渡されそこに座ることになったのだった。
「お、そこに座るのか、お前ますます面白いやつだな」
と店主は嬉しそうな顔をしていた。