多感作用と誰が為の共感

萊草唳の創作雑記

OK、暴虐人はそれを喉から手が出るほど欲しているよ

指先一つで人が動く様を、この上ない悦びとするのか

人を突き動かすのは、「それ」を創り出すことへのこの上ない歓びだと云うのに

ただ人を、その背後に隠したこの上ない恐怖をちらつかしさえすれば

また巨万の富を得ることが出来ると嘯けば

人をどうとでも動かせると勘違いしている。

ああ、それがこの上なく卑しいことなのだと、気付かずに

かの人は指先一つでどうにか出来る何かを探し求め続ける。

そうしてその果てに遺されたものは、慰めを許さず

やがて来る孤独の日々に、かの人を閉じ込めるのである。